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Day1 の前日までに

事前セットアップ

研修で使う環境を、ご自身の PC に用意していただきます。手順は8ステップです。うまくいかないところがあれば、当日を待たずに研修事務局までご連絡ください。前日までにご連絡いただければ、開始までに解消できます。

所要時間
60〜90分
作業する場所
WSL2 の Ubuntu 22.04
入れるもの
JDK17・Maven・Claude Code・VSCode
再起動
Step 1 で1回

回線と PC の性能で前後します。待ち時間が大半なので、他の作業をしながらで構いません。

はじめにご確認ください

社内の「研修環境セットアップ手順」を実施済みの方へ。 WSL2・Ubuntu 22.04・JDK 17・Maven 3.9.15・Claude Code・VSCode 拡張は同じものが入っているので、確認だけで済みます。社内手順に無いのは wget・unzip・jq の3つと、文字コードの設定です。Step 3 の apt install の行と Step 6 は、実施済みの方も必ず実行してください。Step 6 を飛ばすと Day3 の演習1がコンパイルできません。
Claude Code を使うにはアカウントが必要です。 Pro、Max、Team、Enterprise、Console のいずれかが要ります。無料の Claude.ai プランでは使えません。どのアカウントで参加するかは研修事務局からご案内します。ご案内が届いていない場合は、セットアップを始める前にお問い合わせください。
GitHub Copilot は使いません。 社内手順には Copilot CLI の導入が含まれていますが、本研修では触れません。入っていても支障はないので、外す必要はありません。

できあがる環境

Windows 側と Ubuntu 側で入れるものが分かれます。どちらに何を入れるかだけ、先に押さえておいてください。

場所入れるものStep
WindowsWSL2、VSCode 本体、VSCode 拡張3本1・7
Ubuntu 22.04(WSL の中)OpenJDK 17、Maven 3.9.15、Claude Code、配布データ2〜6・8

コードを書くのも、ビルドするのも、Claude Code を動かすのも、すべて Ubuntu 側です。VSCode は Windows 側で起動して、そこから Ubuntu につなぎます。

手順

上から順に進めてください。Step 8 で全体がつながっているかを確かめます。

STEP 1WSL2 の導入[15min]

Windows の中で Linux を動かす仕組みです。すでに入っている方は、確認だけして Step 2 へ進んでください。

Windows のコマンドプロンプト(管理者)

スタートメニューで cmd と入力し、出てきた「コマンド プロンプト」を右クリックして「管理者として実行」を選びます。

wsl --install

終わったら PC を再起動してください。再起動しないと次のステップが動きません。

再起動後・コマンドプロンプト(管理者でなくて可)
wsl --version

次のような表示が返れば入っています。

WSL version: 2.x.x.x
Kernel version: 5.15.x.x-microsoft-standard-WSL2
Windows version: 10.0.x.x
ここまでできたらWSL version: 2 で始まる行が出る
すでに WSL1 を使っている方へ。 WSL version が 1 系だった場合は、wsl --set-default-version 2 を実行してから Step 2 へ進んでください。研修の題材は WSL1 でも動きますが、ビルドが目に見えて遅くなります。
STEP 2Ubuntu 22.04 の導入[10min]

WSL の上で動かす Linux の中身です。バージョンは 22.04 に揃えてください。

Windows のコマンドプロンプト
wsl.exe --install Ubuntu-22.04

途中でユーザー名とパスワードを聞かれます。ユーザー名は英小文字と数字だけにしてください。ここで決めたパスワードは、あとで sudo を打つたびに使います。忘れないよう控えておいてください。

設定が終わると、そのままプロンプトが Ubuntu のものに変わります。以降の作業はここで行います。

Ubuntu のターミナル
# どこで動いているかを確認する
uname -a
Linux <hostname> 5.15.x.x-microsoft-standard-WSL2 #1 SMP ... x86_64 GNU/Linux
# パッケージを最新にする(数分かかります)
sudo apt update
sudo apt upgrade -y
ここまでできたらuname -a に microsoft-standard-WSL2 が含まれる
あとで Ubuntu を開き直すには。 Windows のスタートメニューで Ubuntu を検索するか、コマンドプロンプトで wsl と打ちます。プロンプトが ユーザー名@ホスト名:~$ の形なら Ubuntu 側です。
STEP 3JDK 17 の導入[10min]

Java を動かすための実行環境です。研修の題材は Java 17 で動きます。

Ubuntu のターミナル
sudo apt install -y openjdk-17-jdk curl wget unzip jq

JDK のほかに4つ入れています。curl は Step 5 の Claude Code 導入、wget は Step 4 の Maven 取得、unzip は Step 8 の配布データ展開、jq は Day3 で API の応答を読むときに使います。すでに入っているものは飛ばされるので、そのまま実行してください。

# JAVA_HOME を設定して、次回以降も有効にする
echo 'export JAVA_HOME=$(dirname $(dirname $(readlink -f $(which java))))' >> ~/.bashrc
echo 'export PATH=$JAVA_HOME/bin:$PATH' >> ~/.bashrc
source ~/.bashrc
# 確認する
java -version
echo $JAVA_HOME
ここまでできたらopenjdk version "17. で始まる行と、/usr/lib/jvm/java-17-openjdk-amd64 が出る
STEP 4Maven の導入[10min]

Java プロジェクトをビルドして、テストを走らせる道具です。

apt で入る Maven は 3.6 系で古いため、公式サイトから 3.9.15 を直接取ってきます。

Ubuntu のターミナル
# ホームディレクトリで作業する
cd ~
MVN_VERSION=3.9.15
wget https://archive.apache.org/dist/maven/maven-3/${MVN_VERSION}/binaries/apache-maven-${MVN_VERSION}-bin.tar.gz
# 展開して /opt/maven に置き、書庫は消す
MVN_VERSION=3.9.15
tar -xzf apache-maven-${MVN_VERSION}-bin.tar.gz
sudo mv apache-maven-${MVN_VERSION} /opt/maven
rm apache-maven-${MVN_VERSION}-bin.tar.gz
# パスを通して、次回以降も有効にする
echo 'export M2_HOME=/opt/maven' >> ~/.bashrc
echo 'export PATH=$M2_HOME/bin:$PATH' >> ~/.bashrc
source ~/.bashrc
# 確認する
mvn -v
ここまでできたらApache Maven 3.9.15 と Java version: 17 の2行が出る
研修では mvn を使います。 配布データの中に mvnw というファイルが入っていますが、こちらは使いません。Maven を入れていない環境向けの補助で、使うと Maven をもう一組ダウンロードしに行きます。
STEP 5Claude Code の導入とログイン[10min]

ターミナルで動く AI のコーディング支援ツールです。研修の主役になります。

Ubuntu のターミナル
curl -fsSL https://claude.ai/install.sh | bash
# 置き場所にパスを通して、次回以降も有効にする
echo 'export PATH="$HOME/.local/bin:$PATH"' >> ~/.bashrc
source ~/.bashrc
# 確認する
claude --version

2.1.234 (Claude Code) のようにバージョンが返ります。数字は導入した時期で変わります。

続けてログインします。初回だけ必要です。

claude
  1. ブラウザが開くので、ご案内したアカウントでログインします
  2. ブラウザが開かないときは、ターミナルに URL が表示されます。それをコピーして Windows のブラウザに貼り付けてください
  3. ターミナルに戻り、入力欄が出ていることを確認します
  4. /exit と打って、いったん終了します
ここまでできたらもう一度 claude を起動したとき、ログインを求められずに入力欄が出る
コマンドが見つからないと出たとき。 source ~/.bashrc を打ち直すか、exit でいったん Ubuntu を抜けて wsl で入り直してください。パスの設定は、シェルを開き直さないと反映されないことがあります。
STEP 6文字コードの設定[5min]

Ubuntu の初期状態は、日本語を扱えない文字コードになっていることがあります。このまま進めると Day2 と Day3 の演習で、日本語が ? に化けて期待どおりの結果が出ません。

Ubuntu のターミナル
locale

最初の行が LANG= のあとに何もない、または UTF-8 で終わっていない場合は、次を実行してください。

echo 'export LANG=C.UTF-8' >> ~/.bashrc
source ~/.bashrc
# 設定できたかを確認する
locale charmap
ここまでできたらlocale charmap が UTF-8 と返す
すでに UTF-8 と返った方へ。 何もしなくて構いません。Step 7 へ進んでください。
この設定が要る理由。 文字コードが ANSI_X3.4-1968 のままだと、日本語を含む Java ファイルがコンパイルできません。Day3 の演習1は、まさにそのファイルを扱います。研修の教材ではコマンド側でも文字コードを指定しているので二重の備えになりますが、ここで設定しておくほうが確実です。
STEP 7VSCode の導入と WSL 接続[15min]

コードを書くエディタです。本体は Windows 側に入れて、拡張機能で Ubuntu につなぎます。

Windows のブラウザ
  1. code.visualstudio.com を開き、Windows 版をダウンロードします
  2. インストーラを実行します。途中の「追加タスクの選択」で、PATH への追加 にチェックが入っていることを確認してください
VSCode

起動したら Ctrl+Shift+X で拡張機能の一覧を開き、次の3本を検索して入れます。ID で検索すると確実です。

拡張機能ID何のために
WSLms-vscode-remote.remote-wslUbuntu 側のファイルを開くため
Extension Pack for Javavscjava.vscode-java-packJava の補完とエラー表示
Spring Boot Extension Packvmware.vscode-boot-dev-packSpring Boot の設定ファイル補完

入れ終わったら、VSCode の左下にある >< のアイコンをクリックして、「Connect to WSL」を選びます。初回は VSCode Server のダウンロードが自動で走るので、数分かかります。

ここまでできたらVSCode の左下に WSL: Ubuntu-22.04 と表示される
日本語表示にしたい方は。 拡張機能から Japanese Language Pack を入れてください。研修は日本語表示でも英語表示でも進められます。
拡張機能は接続先ごとに入ります。 WSL につないだあと、Java 系の拡張機能が「WSL: Ubuntu-22.04 にインストール」と促されることがあります。促されたら入れてください。Windows 側に入れたものが、そのまま Ubuntu 側でも効くわけではありません。
STEP 8配布データの展開と動作確認[15min]

研修で手を動かすプロジェクト一式を置いて、ここまでの7つがつながっているかをまとめて確かめます。

Windows のブラウザ

教材トップの「配布データ」から id-cc-handson_20260903.zip をダウンロードします。保存先は既定の「ダウンロード」フォルダのままで構いません。

Ubuntu のターミナル
# Windows 側のダウンロードフォルダから持ってくる
cd ~
cp /mnt/c/Users/*/Downloads/id-cc-handson_20260903.zip ~/
unzip id-cc-handson_20260903.zip
rm id-cc-handson_20260903.zip

~/handson ができます。ZIP の中身が handson フォルダから始まるので、展開先を指定する必要はありません。

# 中身を確認する
cd ~/handson
ls

src、docs、exercises、CLAUDE.md が並んでいれば展開できています。

ここから動作確認です。上から順に打ってください。

# ビルドが通るかを確認する(初回は依存関係の取得で数分かかります)
mvn clean compile

最後に BUILD SUCCESS と出れば通っています。

Ubuntu のターミナルで mvn clean compile を実行し、BUILD SUCCESS が表示された画面
Ubuntu 22.04 で実際に実行した出力です。Compiling 15 source files の行と BUILD SUCCESS が出ます。
# アプリを起動する
mvn spring-boot:run

Started OrderApplication という行が出たら起動しています。Windows のブラウザで http://localhost:8080/api/orders を開いてください。次のように、受注データが1かたまりの文字列で表示されます。

ブラウザで http://localhost:8080/api/orders を開いた画面。受注データが JSON の文字列として折り返して表示されている
この状態が出れば動作確認は完了です。読みにくくて構いません。Day1 の演習で、これを表で読める画面に変えます。

確認できたら、ターミナルで Ctrl+C を押してアプリを止めてください。

最後に、VSCode から同じフォルダを開けることを確かめます。VSCode で WSL: Ubuntu-22.04 につないだ状態で「ファイル」から「フォルダーを開く」を選び、/home/<ユーザー名>/handson を指定してください。

これは打たないでください。 mvn clean package と mvn test は、いま実行すると失敗します。研修の演習で直すためのバグが仕込んであり、テストが1件わざと赤くなるためです。環境の問題ではありません。Day2 で実際に走らせます。

完了チェック

6つとも当てはまれば、当日そのまま始められます。ひとつでも引っかかったら、前日までにご連絡ください。

つまずいたとき

よくある詰まりどころです。当てはまらない場合は、次の項目にある診断コマンドの結果を添えてご連絡ください。

claude というコマンドが見つかりません
パスがまだ効いていません。exit で Ubuntu を抜けて wsl で入り直してください。それでも変わらない場合は claude doctor を実行し、その出力を添えてご連絡ください。導入の状態と設定ファイルの問題を診断してくれます。
mvn というコマンドが見つかりません
Step 4 の echo 'export M2_HOME=...' >> ~/.bashrc を実行したあと、source ~/.bashrc を打ち忘れていることが多いです。Ubuntu を開き直しても直ります。ls /opt/maven/bin/mvn でファイル自体があるかを先に確かめてください。
ZIP のコピーで「そのようなファイルはありません」と出ます
ダウンロードフォルダの場所が既定と違うか、ファイル名が変わっています。次で探せます。
ls /mnt/c/Users/*/Downloads/ | grep handson
それでも見つからないときは、Windows のエクスプローラーでファイルの場所を確認し、C:\Users\yamada\Downloads なら /mnt/c/Users/yamada/Downloads と読み替えて指定してください。
日本語のファイル名が記号の羅列になっています
Windows のエクスプローラーで展開したフォルダを Ubuntu 側にコピーすると起きることがあります。rm -r ~/handson でいったん消し、Step 8 のとおり Ubuntu のターミナルで unzip を使って展開し直してください。配布 ZIP は UTF-8 で作ってあるので、locale の設定に関係なく正しい名前で展開されます。
clean compile が途中で止まります
初回は依存関係のダウンロードで数分かかります。社内ネットワークからインターネットに出られない場合は止まったままになるので、その場合はご連絡ください。プロキシの設定が要るかもしれません。
ブラウザで localhost:8080 が開きません
まず、ターミナルに Started OrderApplication が出ているかを見てください。出ていれば起動しています。それでも開かないときは、Ubuntu 側で curl http://localhost:8080/api/orders を打ってみてください。ここで返るなら Windows とのポート共有の問題なので、当日ご相談ください。
ポート 8080 が使用中と出ます
別のアプリケーションが同じポートを使っています。そのアプリを終了してから起動し直してください。終了できない場合は当日ご相談ください。設定で別のポートに変えられます。
会社の PC で管理者権限がありません
WSL の導入と VSCode のインストールに管理者権限が要ります。導入できない場合は、情報システム部門への申請が必要かどうかを含めて研修事務局までご連絡ください。JDK・Maven・Claude Code は Ubuntu 側での作業なので、Windows の管理者権限は要りません。

連絡するときに添えていただきたいもの

切り分けが早くなります。分かる範囲で構いません。

# この4つの出力をコピーして添えてください
java -version
mvn -v
locale
claude doctor

どのステップで、どんなメッセージが出たかも書き添えてください。画面のスクリーンショットでも構いません。